初秋刀魚とブランド秋刀魚

昨日は、スーパーでサンマが少し安くなっていたので、初サンマの日にした。暦の上では立秋を過ぎているのだ。北海道産でまだあまり脂がのっていないが、お腹を出そうと思って包丁を入れたら、卵が入っていた。もったいないことだけど内臓が食べられないのだ。内臓を出して塩焼きにして、たっぷりの大根おろしを添えて、すだちをしぼっていただいた。

道東のサンマ漁は7月23日の棒受け網漁(10トン未満船)解禁で、今月初旬ごろに本番を迎える。道東のサンマといえば根室港、釧路港、浜中港、厚岸港で激しくブランド争いをしている。これらのブランドサンマは、スーパーに出回っても高価で、無印サンマが1尾100円のころ1尾300~500円程度する。みかけも大柄でおいしそうだが1尾300円はお気軽には買えない。だって、サンマはむかしから庶民の身方だったはずじゃないか。さらに言えばおうちサンマはやっぱ塩焼きに限るのだ。お寿司やお刺身は、自宅ではちょっとと言う気がする。だからいつもうちはサンマの時期になると1尾100円前後の無印サンマの塩焼きを毎日のように食べている。3倍出しても食べる価値があるかどうか一度くらいは試してみたい気もするが。今年はブランドに挑戦しようかな。

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道東のブランドサンマのなかで根室の一本立ち歯舞サンマが一番と言われているが、理由は簡単でプランクトンをいっぱい食べて長旅に備えたサンマが南下する最初の場所が根室海峡付近つまり根室港に水揚げされるサンマなのだ。根室の位置は上の地図の通りで、サンマたちは南下しながら脂を落として体型もスリムになっていくのでだんだん脂ののりも悪くお味もそれなりになってくるらしい。むかしは輸送時間や品質管理の技術が現在のようにハイレベルでなかったから、関東地方でサンマを食べるときは、季節もすっかり秋になっていたから鹿島灘あたりのものだったのだろうが、すごくおいしかったけどなぁ。
以前は高級サンマを「鮮さんま」と呼んでいたらしいが、根室の一本立ち歯舞(ハバマイ)サンマ(02年に舞サンマとしてブランドサンマの先駆けとなるが06年に現在の一本立ち歯舞サンマと名称変更された)、釧路の青刀(セイトウ)サンマ(04年)、浜中の日帰りサンマ(05年)、厚岸の大黒サンマ(05年)、とそれぞれすごいブランド名がついている。どこの漁協も鮮度と高品質をうたい、流通手段で差別化を図っている。実際のところは、どれも遜色がないようだ。