北京オリンピックの開会式を見た。オリンピックの開会式を見るなんてずいぶん久しぶりだ。ボイコットしたモスクワ以来かもしれない。唐突にモスクワモスクワのテーマソングだったこの曲を思い出した。Д.Д.Шостакович/Праздничная увертюра, op. 96(D.D.ショスタコーヴィチ/祝典序曲作品96)間違ってないかな。
北京オリンピックに限らず最近のオリンピックなんて全然興味はないのだけれど、張芸謀(チャン・イーモウ)が開会式と閉会式の総監督制作指揮を担当するということだったので見る気になったのだ。張芸謀は好きな映画監督のひとりだからだ。『紅いコーリャン』『菊豆』『紅夢』『上海ルージュ』など鞏俐(コン・リー)とのコンビ作品をはじめ、最近では『HERO』『LOVERS』『単騎、千里を走る。』そして『王妃の紋章』どれも日本で公開された作品で大作といわれるものばかりだが。
開会式はまるで彼の最近の映画のようだった。つまり普通に美しく、特に意外性はなかった。そりゃそうだ。北京オリンピックなんだから。相変わらず優等生なんだ。でもさまざまな駆け引きのなかで優等生で居続けるのは狡猾であるゆえん。それも結構大変なことなんだろう。中国が最近諸外国に与えたイメージからして大変な仕事だったのだろうが、見せる部分は常に美しく、見えない部分は見せないと思いきや。見えなくてもよい部分も見せたいなら見せる変幻自在さ。残念ながら競技にはあまり興味はない。今回で正式種目から消える野球はちょっと見ようと思っているけど、高校野球の時期でもあるし、オリンピックよりは甲子園派です。ひいきのチームが勝つのをよろこんだり、ビッグプレーに感心するのはわかるけど、所詮縁もゆかりもない出場者の勝ち負けに異常にエキサイトする人たちの頭の構造がわからない。