阿倍野近鉄の大北海道展に行ってきた。本日が最終日だ。5月22日~5月28日までと秋の物産展に比べると1週間のコンパクトなイベントだったので出店数も少なくこじんまりとまとまっていた。お目当てのイートインの茶屋は恒例の寿司のなか一とラーメンは初出店の『らーめん信玄』。北海道なのに信玄かと思いながらも、ラストオーダー15時45分ということだったので、昼過ぎに近鉄に向かう。催事場に到着したのは14時で信玄の席は8割程度埋まっている。信玄の向かい側は寿司のなか一で、こちらも店内の客席はうまっているが待ちの列はない。
関西の北海道物産展は、新宿伊勢丹や池袋東武のようにどんな人気店が出店してもラーメン店に長い列はできない。さらに関西人向けにローカライズされている場合もある。この辺は食文化の違いだろうが、物産展担当者の力量不足だろう。オリジナルの味を変えてダメな客の満足度を高めるか、オリジナルの味で勝負して本当の客を満足させるか。当然出店する側もリスクがある。
とにかく食べてみなくては話にならないので、食券売り場でこく味噌(税込み720円)を注文する。一番奥の席に案内されたのだが、今回は厨房が少し見えるようにガラス張りになっていた。ラーメンを待つ間作る様子を見る。やはり味噌が人気のようだ。5人分の味噌スープをその都度作る方式で、麺はテボで茹でている。
相席になった向かいの女性二人客が食べ終わったころ、あたしのこく味噌が運ばれてきた。待つこと約10分くらいか。黄色い札幌ラーメン特有のちじれ麺だが、やや柔らかめ。スープが熱々でないのと札幌ラーメン特有の表面の油がないあっさり系。甘いごく普通の味噌ラーメンだ。変わっているところと言えば、もやしのほかに少量のたまねぎが入っている。そして青ねぎとシナチク、チャーシュー。シナチクはやや固めで自分の好みだ。厚切りのチャーシューはボリュームがあり味もシンプルでとてもおいしかった。
信玄のラーメンは、越後(辛味噌)、信州(こく味噌)、土佐(あっさり塩)、播磨(こってり塩)、尾張(あっさり醤油)、水戸(こってり醤油)というように地域の名前が付けられていて本来は6種類あるらしい。6種類のメニューのうちのこく味噌とあっさり塩の2種類のみの販売だ。物産展では他の店でも全メニューを販売することはないので、大阪という地域を考えれば順当だろう。
テーブルには一味唐辛子とコショーが置かれ、お好みで味噌には一味、塩にはコショーということだろう。半分ほど食べて一味を大量に入れてみた。甘い味噌に唐辛子はよく合うのだが、こく味噌と言うわりにこくがない。そもそも「こく」なんていうものは日本人的な味覚に頼るもので、万人がこくがあるとかないとか同様に感じるものではない。単に味が濃いとか薄いとかというのと少し違うのだが、自分には少し物足りない気ものの、季節を考えるとまあこんなものか。おいしいことはおいしいが、強く印象に残る味ではない。それがかえって食べる頻度を高めるのか地元ではかなりの人気店のようだ。近鉄は女性の一人客が多いから、そういった部分も考慮しての店選びだったのだろう。機会があったら石狩に行って全種類食べてみたい気もする。
ラーメン信玄だけで人気のスイーツもコロッケも海鮮もスルーした。参考までに主な実演の出店は海鮮弁当の前記のなか一(小樽)のほか、北海工房(札幌)、雑魚亭(札幌)、肴菜家しん(函館)、タラバガニ天丼の露風庵(釧路)、焼ホタテ弁当の清味屋(札幌) 、ステーキ弁当のあすなろロードとかちなど、今回新登場のはげ天グループの豚丼のぶたはげ(帯広)はお土産にしたかったのだけど今回はパスでした。ちなみに銀座のハゲ天とは無関係。はげとハゲだし家紋も違う。