大垣で夕食を食べるお店を探した。饅頭屋のおばさんにちょっとだけ聞いてみたら、芭蕉水御膳というのが名物だと言う。近くの二軒を教えてもらったが、どちらも客がいないのでやめた。
うろうろしながら、黄色い看板を見つけ中のようすをうかがうと、まあまあの客の入りだ。地元のナンバーの車も止まっている。店の外観で美味しい店を見つけるのが上手な連れがここにしようというので入ってみることにした。店の名はとんかつ幸味亭(ゆきみてい)。
メニューを隅々まで見て、連れがロースカツ定食、わたしがトンテキを注文したあとに、壁の張り紙の牡蛎フライを見つけた。その間5秒くらい。
「トンテキを牡蛎フライに変えられますか」
カウンターの中の店主とおぼしき人が、すごく感じ悪いリアクションをしたのを、わたしは見逃さなかった。「ダメならトンテキでかまいませんよ」と一度したオーダーであるからあきらめたのだが、奥さんか従業員かわからないが、注文を聞いてくれた女性が、再度そのすごく感じの悪い店主に、「トンテキ→牡蛎フライに変更」と言ってくれたのだが、、、。その後二人の間で訳のわからない会話があり、結局予約が入っていて牡蛎が品切れだという説明があった。
まあ、どうでもいいが、変えられないなら変えられないと簡素に断ってくれればいいのに。すごく不快な思いをさせられがっかりだ。こんな店だからきっとたいしたものは出てこないと思って、饅頭をどこで買おうかと考えながら、注文が来るまで携帯で遊んでた。
しばらくして、テーブルに置かれたものは、よく焼かれていてこげ目が絶妙、肉も厚く見た目は、かなりおいしそうだ。すでに一口大に切られていて、白ゴマの入ったタレに付けて食べるタイプのトンテキだ。トンテキの下には、炒めたもやしが敷かれている。まずは、タレを付けずにそのまま食べてみる。おいしい!ありふれた表現だが、外はカリっとしてて、中はジューシー。パサパサしてない。お肉の下処理も手を抜いてない。二切れ目は、タレに付けてみる。味噌としょう油の混ざったやや濃いめのタレだった。タレもおいしいが、下味が付いているから、タレに付けないでそのまま食べる方がより肉の香りが味わえてよい気がする。まあ、お好みでどちらでもいいだろう。
牡蛎フライに変えなくてよかった。トンテキは、子供のころトンカツ屋さんでときどき食べた贅沢品だ。いまでも、ときどき上野で食べることがある。ポークソテーとは違った味わいがあるが、最近トンテキがメニューにあるトンカツ屋があまりないような気がする。生姜焼きはあるがトンテキはない。
こんな大垣のくそ田舎で、おいしいトンテキが食べられるなんて、誰が想像するだろうか。大垣駅周辺を長い時間探し回った甲斐があったというのもだ。店主の感じが悪かろうが、そんなことは、おいしければかまわない。
とんかつ幸味亭(ゆきみてい)
岐阜県大垣市宮町1丁目37-1
0584-78-8989
コメント
【まちねり】敢えて岐阜県で味噌カツを
随分と前の話ながら、