松江の堀川めぐりと松江城を見学してお昼を食べることにしていた境港のごはん屋漁火(いさりび)へ向かう。ここは出発前にリサーチしておいたので期待できそうだが、期待して行ってアレってこともあるから、人生っておもしろい。テレビ東京の番組でカニ一杯丸ごと丼が紹介されていてパンチ佐藤がすごくおいしそうに食べていた。でもテレビで紹介されたとたんにご多忙になって均衡がくずれてしまうなんていうこともあったりするので油断大敵だ。お店は境港警察所のはす向かいですぐに見つかった。駐車場には地元と他県のナンバーの車が7:3くらいで、地元の人が多いようだ。店内は中央に大きいテーブルと、4人がけのテーブルが数席あったが、いっぱいだったので小上がり席へ座る。大きめのテーブルで昼時2人では申し訳ない気もしたが、ゆっくり食事ができそうだ。
日替わりの定食メニューもあるが、ランチタイムでも通常メニューを扱っているので種類が豊富で迷ってしまう。事前リサーチしていたのである程度食べるものが決まっていたはずであったが、メニューを見て迷いはじめるとなかなか決められない。悪い癖だ。この時期は、松葉ガニはまだ解禁になっていないのでカニを食べるなら紅ズワイガニだが、あたしとしては山陰ではカニよりイカ。特に今回は白イカが食べたかったので白イカが入った料理を注文する。
漁火丼とさんざん迷ったあげく海鮮丼(1050円)、もうひとりは白イカづくし定食(2200円)を注文した。昼時だしメニューが多いからみなさんいろいろなものを頼むわけで、けっこう時間がかかるのかと思ったらそんなに待たずに料理が運ばれてきた。こういうところも人気店たる所以である。海鮮丼はお吸い物と小鉢の酢の物そして香の物が付いている。トッピングは魚介類が14種類でその切り身の厚さにびっくり。そしてここの海鮮丼はわさびに醤油ではなくて専用の少し甘めのつゆをかけて食べる。そのつゆが海鮮丼、カニ丼などと各どんぶりごとに個別に調合されていて、それぞれの素材の味を引き出すらしい。今回食べた海鮮丼はかなりコストパフォーマンスが高い。こんなの食べたら都会の海鮮丼が食べられなくなるよね。酢の物もお吸い物も上品な薄味でさすが材料の新鮮さを誇る店だと納得する。
白イカづくし定食についていたイカめしを少し分けてもらってさらに驚く。イカめしといえば北海道物産展の函館本線森駅のイカめしくらいしか知らなかったあたしは、イカめしなんておいしいものだと思っていなかったのだが、漁火のイカめしは別もの。イカに煮汁の色がついていない。 感激。ところで、いさりびのお店のHPにも掲載されているが、ご主人は、もともと美保関で寿司屋をやっていたらしい。食事が終わって帰りしな駐車場でご主人に声をかけられたのでおいしいイカのお礼を言うと、もう少しすると手なしイカがおいしいのだと教えられた。手なしイカというのはヤリイカの島根あたりの呼び名らしい。なるほど手が短いから手なしイカか。夏から秋にかけて、まだ成長していない小ヤリイカが出回るのだそうで、地産地消で成体になったヤリイカでないと首都圏には流通してこない。これがすごくおいしいらしいのだ。カニの時期にも行きたいけれど、小ヤリイカも食べに行きたいもだ。最後に、いさりびの新鮮でリーズナブルな魚介の秘密。それは、ご主人が毎朝、美保関から魚を持って境港の店に通っているからなのだ。朝とれたものをその日のうちに出す。タイムラグがないから新鮮なものをリーズナブルに提供できるわけである。境港は鳥取県だが美保関は境水道を隔てて島根県だ。そして我々がこれから美保関に行くと言うとお忙しいにもかかわらず、美保神社のことやお祭りのことなどいろいろお話を聞かせてくださった。
ごはん屋いさりび
鳥取県境港市上道町2075-4
0859-42-6039
OPEN 11:00~14:30 17:00~20:30
定休日 木曜日、水曜の夜
駐車場 30台