そときちのポークソテー

人形町のキラクがたいへんなことになったらしいとネットで知ってさっそく行ってみた。もちろんキラクへではなくキラクから独立した『そときち』へポークソテーを食べに行ったのだ。10月７日にオープンしたばかりだ。渋谷の某所より急に思い立って向かったのだが、ネットとは便利なものでブログに行き方を書いてくれている人がいてほどなく見つけることができた。そときちという店名は先代の名前（外吉）とのこと。もう食べられないけど生まれてはじめて食べたビフカツが先代のビフカツだったのは、なんて不幸なことなのだろう。あのビフカツを越えるものには未だに出会っていない。アツアツの揚げたてを手早く切って盛りつけ、出されたものにソースをかけるとジューと音がする。懐かしい。

さて、そときちだが店の外観は意外とオシャレで、外からカウンターが見える。カウンター越しに料理を出すのがここのこだわりのひとつなのだ。できたものをすぐに食べてもらうという粋なはからいだ。

店内には常連のおじさまがひと組ポークソテーを食べている。あたしも、もちろんポークソテー、そしてサラダ大盛りを注文した。もちろんニンニク入り。ここのポークソテーのニンニク風味の醤油味は千切りキャベツとすごくマッチする。お肉が大きくてキャベツが途中で足りなくなるので必ず大盛りにしてもらう。付け合わせのマカロニサラダも自家製マヨネーズでほんとにおいしい。洋食屋さんのマカロニサラダってむかしからそのお店の味がある。

あたしは一度だけお嬢さんじゃない人にポークソテーを焼いてもらったことがある。もうずいぶんむかしのことだが。やっぱりお嬢さんのポークソテーがおいしいな。それにしてもいまだにお嬢さん（先代の娘さんでメインで厨房を担当している方）と呼ぶのはちょっと変ですね（笑）

ポークソテー（ライス付）で1800円、値上げは仕方ない。いまはご飯のお代わりが終日サービスで、ランチタイムには豚汁が付くが、はっきり言ってライスはおいしいとは言えない。最近のファミレスの北海道米と思われるライスはかなりおいしくなりましたからね。でもね、そんなことは関係ないのです。ここにおいしいお米を食べに来るわけではないし、値段と素材のバランスだけを考えて来るわけではないのです。キラクから名前は変われど、キラクの味を引き継ぐ人たちの心意気と江戸っ子の味が味わえる。江戸っ子の味というのは、単に料理の味付けや店の気風だけを言うのではない。こういう雰囲気のお店は、少なくなってしまったものね。最近の若年層や地方出身者には理解できないところもあるだろうが、そときちのメニューが高いと思いますか？Noですね。メニューに１日限定10食のカツカレーが加わったので、機会があったら食べて見たい。カツカレー誕生秘話をそときちブログで読んだから。

私も助かったので行き方を掲載。半蔵門線人形町駅A2出口を出て玉ひで側（右）へ進み、右手に玉ひでを見ながら道路を渡ってファミリーマートの角を左に入る。

ファミリーマートの先に『ビーフかつれつそときち』の看板があるのでここまで来ればすぐわかります。ファミマの角を左に曲がって1本目を右に入ったところにそときちはあります。私は、偶然ネットでキラクのことを知ったので、キラクにはもう行くことがないかもしれないけど、実際一度は試してみないととは思う。人の評価をうのみにするのはいかがなものかと思うわけで、なんとか機会を作って一度は勇気を出して現キラク（ああ紛らわしい）の暖簾をくぐってみよう。それにしても現キラクに行った元キラクファンの方赤坂プリンス出身のシェフのお味はいかがでございましたか？